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オープンイノベーションとイノベーション・マネジメントシステムの関係

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 24.03.08
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最近、オープンイノベーションとイノベーションという言葉がインターネット上で目につくようになりました。
しかしながら、その定義や役割に解釈の違いがあるように感じていますので、本記事で解釈を説明させていただきたいと思います。

はじめに

オープンイノベーションは、新規事業の立ち上げにおいて重要な概念です。技術力を持つスタートアップ企業と、資本力がある大手企業が協力し合い、新しい価値を創出するプロセスを指すことが多いです。一方でイノベーション・マネジメントシステムは、この新しい価値を創出するプロセスをマネジメントする方法論と仕組みのことです。
新規事業の創出やイノベーションを推進しようとする人々のなかには、オープンイノベーションとイノベーションを以下のように解釈される方がいらっしゃいますが、それは少し解釈が違います。

間違った解釈のオープンイノベーションとイノベーション

オープンイノベーション

外部企業の製品やサービスまたは技術力などの外部資源(リソース)を組み合わせて新しい価値を創出する活動や取り組みを指す。内部には目を向けず、外部との協力によって新しい価値を創出することだけを考える。

イノベーション

オープンイノベーションとは異なり、クローズな内部資源(リソース)を前提にした新しい価値を創出する活動や取り組みのこと。

正しい解釈のオープンイノベーションとイノベーション

正しい解釈は、オープンイノベーションは、イノベーションの一形態であり、企業が外部のアイデアや技術を活用し、また自社の内部的なアイデアや技術を外部と共有することで、新しい商品やサービスを生み出すプロセスを指します。そのため内部の資源(リソース)にも目を向けなければ、価値を創出し、それを維持することは困難となります。

オープンイノベーション

オープンイノベーションとは、イノベーションの一形態であり、企業が外部のアイデアや技術を活用し、また自社の内部的なアイデアや技術を外部と共有することで、新しい商品やサービスを生み出すプロセスを指します。このアプローチは、外部の知識やリソースを取り込み、それを自社のイノベーションプロセスに統合することで、より速く、より効果的に新しい価値を創造することを目指します。

イノベーション

イノベーションは、革新的な新しいアイデア、商品、サービス、プロセスを生み出し、それを実践することで既存の市場を変革するか、新しい市場を創造することを指す総称です。あらゆるイノベーションの形態はイノベーションという総称に含まれることになります。

つまりオープンイノベーションは、イノベーションの一形態であるため、その実行にはイノベーション・マネジメントシステムの仕組みや方法論を取り入れることが重要です。この仕組みや方法論を取り入れずに進めてしまった場合、初期段階は外部との協力関係によって、新しい価値を創出することに成功するかもしれません。しかしながらビジネス面では成功とは言えなかったり、価値を維持できなかったり、時代の変化に対応できなかったりする可能性が高くなります。

つまりイノベーション・マネジメントシステムとは、生み出された価値を維持し、成長させるための仕組みを実現します。本記事では、オープンイノベーションで生み出された価値を成長事業へと推進するための仕組みについて解説します。

オープンイノベーションの光と影

オープンイノベーションは、異なる背景を持つ企業間でのアイデアや技術の共有を通じて、従来では考えられなかった製品やサービスを生み出す可能性を秘めています。このプロセスは、新しい市場を切り開き、社会に大きな影響をもたらす革新を生むことができます。
しかし、新しい価値の創出だけでは十分ではありません。多くの企業が直面する課題は、創出された価値を持続的に成長させ、維持することです。技術革新の速さと市場の変動性は、新しい製品やサービスが一過性のものに終わるリスクを高めています。

イノベーション・マネジメントシステムとは

イノベーション・マネジメントシステムは、このような課題に対応するための解決策を提供します。これは、イノベーションを組織全体で管理し、推進するための一連のポリシーやプロセスを指します。具体的には、新しいアイデアを評価、選択し、これをビジネスモデルに統合し、市場に導入するまでの全過程を系統的に管理します。

代表的なイノベーション・マネジメントシステムは、世界中のイノベーション企業の方法論をベストプラクティスとして集約し、国際標準規格として公開しているISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)です。日本においては古くから一般社団法人Japan Innovation Network (JIN) という団体が日本のイノベーションを支援しています。

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)は世界中に広まっていますが、2024年3月時点ではガイダンス規格となっています。しかしながら2024年12月頃にはマネジメント規格へ昇格し、ISO9001、ISO27001などと並ぶ規格としてリリースされる予定です。今後も一層の広まりが期待されます。

このシステムを導入することで、企業はイノベーションの成功率を高めるとともに、新たに生み出された価値を維持し、成長させるための基盤を確立できます。さらに、外部の脅威や内部の問題を未然に防ぐメカニズムも備えています。

オープンイノベーションから成長事業へ

オープンイノベーションで生み出された価値を成長事業へと推進するには、単に技術や資本の組み合わせ以上のものが必要です。組織内での価値の共有と共感、人的資源の開発、そしてイノベーション・マネジメントシステムの適用が重要となります。
成功の鍵は、新しいアイデアや技術が単なる製品開発を超え、企業文化やビジネスモデルにまで浸透することです。これにより、持続可能な成長と市場での競争優位を実現することが可能になります。

結論

オープンイノベーションとイノベーション・マネジメントシステムは、新規事業の成功に不可欠な要素です。前者が新しい価値の創出を促進する一方で、後者はその価値を維持し、成長させるための仕組みを提供します。これら二つの概念を統合し、実践することで、企業は長期的な成功と社会への貢献を実現できるでしょう。


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