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イノベーションチームに優先順位付けフレームワークが必要な理由

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 23.12.20

イノベーションは社会の進歩と発展を進める重要な要素です。イノベーションがなければ、ステークホルダーや組織は状況を改善することが難しいでしょう。
しかし、「イノベーション」という言葉自体が何をもって「革新的」とされるのか、理解しにくい概念です。イノベーションの取組み対象者は誰なのか?私たちが想像する以上に革新的な解決策はあるのか?
これらは、イノベーションを目指す際に考慮すべき重要な課題です。そしてイノベーションチームが優先順位付けのフレームワークを使うべき理由です。

この記事では、優先順位付けのフレームワークとは何か、そしてなぜチームがそれを使うべきなのかについて解説します。

優先順位付けフレームワークとは何か?

優先順位付けのフレームワークとは

優先順位付けのフレームワークとは、チームがアイデアに優先順位をつけるためのルールとプロセスの定義です。これにより、チームは自分たちのミッションに集中し続けることができ、さらに既成概念にとらわれない発想も可能になります。

優先順位付けフレームワークを利用する目的は、チームが雑多な情報から重要な情報(シグナル)を発見できるようにすることです。ルールやプロセスが曖昧な状態では、目的や目標に適合した情報(シグナル)が発見できず、範囲も曖昧になるためチェックすべき項目が非常に多くなります。そのためチームには不要な情報をフィルタリングできる方法が必要になります。これが機能するとチームは時間と労力がかからず効果的に活動することができます。

優先順位付のフレームワークの分類

優先順位付けのフレームワークは、形式的なフレームワークと非形式的なフレームワークに分類されます。
形式的なフレームワークの代表的なフレームワークは「RICE フレームワーク」があります。これらのフレームワークは、アイデアの生成、評価、順序の決定のためのルール、基準など、プロセスが明確に定義されています。一方で非形式的なフレームワークとは、アイデアの生成と評価のルール、基準、プロセスが明確に定義されていないフレームワークを指します。

非形式的な優先順位付けのフレームワークは、どのデータ ポイントやインサイトについて最初に検討すべきか、個人の意見や直感に基づくことが多いです。このアプローチがうまくいく場合もありますが、非形式的な優先順位付けのフレームワークは組織が成長にした大規模な組織に適用するのは難しいケースが多くあります。

小規模なチームの場合、非形式的なフレームワークは、時には誤った行動をしてしまう場合もありますが、素早く優先順位を決定して行動することができます。

優先順位付けフレームワークがアイデアを現実に変える

イノベーションチームの仕事はできるだけ多くのアイデアを考えることです。チームがブレインストーミングなどで生み出された膨大な数のアイデアは、その後に何らかの評価を行わないと、最も価値のあるアイデアを拾い上げることができません。 

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)においても「コンセプトの検証」という段階があるように、最も価値のあるアイデアを選ぶために、アイデアの価値やメリットをしっかりと評価することが大切です。それは各アイデアを評価した後、どのアイデアについて最初に考えるべきか、優先順位を付けるのにも役立ちます。

優先順位付けのフレームワークは、チームが全員のアイデアを効果的に評価するためのシステムを作るのに役立ちます。

優先順位付けフレームワークの例|RICE 手法

イノベーション チームが考慮すべき優先順位付けフレームワークの例として、RICE 手法があります。

RICE 手法は、プロダクトマネジメントに根ざした優先順位付けのフレームワークで、以下の4つの要素からスコアを導き出します。

要素 説明
Reach (リーチ) 一定期間内に影響を与えることができる人数やユーザー数を意味します。
Impact (インパクト) プロジェクトや機能が目標に与える影響の大きさです。この評価はしばしば主観的で、低い、中程度、高いなどの尺度で評価されることが多いです。
Confidence (コンフィデンス) 評価の確実性や信頼度を意味します。リーチやインパクト、労力の見積もりがどれだけ正確かを反映しています。通常、パーセンテージ(例:80%)で表されます。
Effort (エフォート) プロジェクトを完了させるために必要な労力や時間です。通常は人月や人日などの単位で評価されます。

このフレームワークの使用時には、プロダクト マネージャーは、 4 つの要素を計算式 (RICE スコア) に配置し、最初の 3 文字を掛け合わせて、その積を「努力」で割ることでスコアを算出します。

スコアの計算方式
RICE= [(リーチ x インパクト x コンフィデンス)/エフォート]

RICEの測定基準は、チームが測定する価値があると判断したものであれば、何でも適用できます。例えば、「リーチ」という要素は、製品が1ヶ月以内に獲得するユーザーの数として測定することができます。

RICEは、チームに優先的な価値提案について深く考えさせるため、イノベーションを目指すチームにとって非常に有用です。 RICEは、どの選択肢が最も価値があるのか​​考えさせることで、他の方法では思いつかないようなイノベーションを生み出すきっかけを与えます。

RICEは、規定の製品の影響を測定するだけでなく、様々な取り組みの影響を比較するのにも役立ちます。プロジェクトに取り組む前に、複数のイニシアチブについてRICEスコアを計算し、相互に比較することをお勧めします。そうすることで、組織は何がステークホルダーにとって最も価値があるかをより深く理解できるようになります。

業界を問わずイノベーション責任者は、プロジェクト着手前にRICE スコアを算出する事をお勧めします。

優先順位付けフレームワークの例|GIMIの方法論

世界最大規模のイノベーション専門組織であるグローバル・イノベーションマネジメント研究所(Global Innovation Management Institute:GIMI)では、イノベーションを起こさなければならない理由の定義や洞察方法について述べています。
これは優先順位付けのフレームワークとして確立しているのではなく、イノベーション・マネジメントプロセスとしての方法論のなかに定義されたものです。

イノベーションを起こすには、目標や方針、理由を明確にしなければなりません。GIMIの方法論ではアイデアを選出し優先順位付けするための考察方法として、以下の3つを明確にすることを提言しています。

項目 説明
変わるための根拠​ イノベーションの原動力となる目的や構想、理由などを明確にします。
それはCEOやリーダーの強い意志だったり、要求の厳しい株主や顧客だったり、強い競合だったりなど、いくつかの項目があります。
それぞれに重み付けを行い、変わるための根拠を明確にする必要があります。
成長のギャップ 成長のギャップを定量化することが重要です。企業は売上と利益が安定化している状態であっても競合が力をつけたり、顧客ニーズが変化するのは必然です。企業が何もしなければ売上は落ち始め、利益は予想したほど伸びないという状態に陥ります。これを成長のギャップと言います。
投資プロファイル 成長のギャップを埋めるために戦略的イノベーションポジショニングマトリックスやイノベーションポートフォリオを作成し、何に投資するのかを明確にします。

これらの項目を明確にすることで多くのアイデアの中から適合したアイデアが選出され、アイデアを正しく検証することが可能になります。

 

イノベーションを起こす為に優先順位付けフレームワークをどう活用するのか?

企業は優先順位付けのフレームワークを利用することで、すべてのアイデアに注意を払いつつも、すべてのアイデアが採用されない事実を受け入れることにより、イノベーションを推進することができます。これにより、最適なアイデアが選ばれて開発されることになり、適していないアイデアや不要なアイデア、時間がかかるアイデアは排除されることになります。

適切な優先順位付けフレームワークを導入することで、組織は特定のステークホルダーからのアイデアを増やし、部門全体でのイノベーションを効率的に評価することが可能になります。これまでフレームワークを使った経験がない場合、どのフレームワークを導入するのか判断が難しいでしょう。そんな時は、決定を下す前に様々なフレームワークを試してみることをお勧めします。

なぜイノベーションの測定が重要なのか?

ここまでは、優先順位付けのフレームワークの重要性について説明しました。ここからは、なぜイノベーションを測定することが重要なのかについて、説明します。

どの分野の組織でも、イノベーションを積極的に測定することが重要です。その理由は、イノベーションの測定が組織のパフォーマンスを評価し、過去の意思決定の成果を判断し、将来のパフォーマンスを予測するのに有効な手段だからです。パフォーマンスは組織の価値観に影響され、組織によっては社会貢献よりも収益目標の達成を重視することもありますし、その逆もあります。いずれにせよ、どれだけ革新的であるかを示す指標になります。

結論

イノベーションを組織的に生み出すための最良の方法は、目的や目標、理念や方針、計画などを明確にして、選定と判断するためのプロセスを定義することです。それを体系化したものが優先順位付けフレームワークであったり、GIMIの方法論であったり、ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の国際標準規格だったりします。自らの独自方法に固執するあまり、仕組み化までに時間がかかってしまうのではイノベーションの目的からは外れてしまいます。

既にあるフレームワークや方法論、規格を実践することで、早期にイノベーションを生み出す組織に変化させ、ステークホルダーに大きな利益や価値をもたらすことを考える必要があります。


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