• コラム

イノベーション管理ツールでイノベーション・マネジメントシステムを支援

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 23.08.11

デジタルビジネスへの変革、ビジネス競争の激化、次々に生まれる新しい要求、働き方の変革などビジネスの取り巻く環境は厳しくなり、予測不可能な変化と言われておりますが、仕組みを作りことによって予測することが可能になります。その代表的な取り組みとしてISO56000(イノベーション・マネジメントシステム)の導入と、それに適用できるツールの活用が重要になります。世界中のITリーダーはイノベーションの加速を支援するソフトウェアへの関心を高めています。


イノベータ(イノベーション企業)と一般企業の時価総額の推移

なぜイノベーションに関心が高まっているかというと、イノベーションに取り組んでいる企業と取り組んでいない一般企業との間には明確な差があるからです(図.1参照)。イノベーションに取り組む企業は、新しいアイデアや技術を取り入れ、市場の変化に対応する柔軟性を持っています。これにより、競争力を維持し、成長を遂げることができます。

さらに、最近の公募事案ではイノベーションに取り組んでいることを条件にしているという話も聞かれるようになりました。それほどイノベーションが企業にとって重要な要素であり、将来の成功に繋がると認識されているからです。イノベーションに取り組むことは、市場の要求に合わせた新たな価値を生み出し、競争上の優位性を確保するための重要な手段となっています。

日本でも代表的な例として、KOA株式会社様のIMSによる成長事例が有名です。

イノベーション事例~KOAのIMS導入と試行錯誤の事例|Open with Linkers

図.1 イノベーション企業と一般企業との時価総額の差


イノベーション管理ツールとは

これまでは傑出した人材によって新しい価値が生み出されるのが一般的でしたが、現代では傑出した人材を集めることが難しい時代になっています。世界中の成長企業がイノベーション管理ツールを導入し、イノベーション活動のハードルを下げることで、多くの組織やチームが、多くの新たな価値を創出しています。ビジネス組織が継続的な成長を達成するには、イノベーション管理ツールの導入が不可欠という時代に突入したといえます。

イノベーション管理ツールは、アイデアの創出、優先順位付けと選定、アイデアを実行可能なプランに変換すること、そしてイノベーション活動のモニタリングと評価を行うものです。これらのプロセスをオペレーションとして安定して運営するための仕組みを提供します。

また、イノベーション管理ツールは従業員、顧客、株主など不特定多数のメンバーをコミュニティとして組織し、自由にチームを編成することが可能です。このツールを通じて、メンバーは意見やアイデアを出し合い、アイデアをコンセプトに変換し、具体化するプロセスを支援します。


イノベーション管理ツールに必要な機能

イノベーション管理ツールの要求機能は、以下の5つとなります。

アイデアの創出 イベント、キャンペーン、ハッカソン、トレンドスポッティング、ブレーンストーミング、フォーカス・グループを通じて行われる。社内外の参加者が関与できるようにデジタル・コラボレーションの場を提供し、また参加意欲の醸成、持続的なコミュニティの育成、スク李>ニングされた外部参加者コミュニティに参加するためにゲーミフィケーションの仕組みを提供するツールもある。
アイデアの優先順位付けと選定 投票、議論、ステージ・ゲート・ワークフロー、体系化された意思決定(コスト、リスク、メリットなどの明確な基準に基づく承認や、意思決定者のためのワーク・ハブを備える)の機能が提供されている。
ビジネスフレームワーク SWOT分析やビジネスモデルキャンパス、ジョブ理論などのフレームワークを備え、オンラインによるホワイトボードによって関係者とディスカッションやプランニングができる機能が提供されている。
モニタリングと評価 イノベーション活動が正常に行われていること、イノベーション活動によって創出されたアイデアの蓄積とリサイクル(再利用)、ビジネスの機会と脅威の判定推移などを示すダッシュボードが提供される。ダッシュボードは個人・チーム・経営という役割に応じたダッシュボードが提供され、課題やテーマごとにアイデアの採用、非採用などを示すアイデアのポートフォリオ、アイデアから実行までの俊敏性(アジリティ)や依存関係とボトルネック、タイムラインなどのパフォーマンス指標と結果が判断できる機能が提供されている。
イノベーション活動運営 一般的なアイデア出しのテンプレート、権限に応じた利用環境をプロビジョニングする機能、データ管理の制御、プロジェクト管理など周辺アプリケーションと統合できるAPI連携機能などが提供されている。

これらの機能をすべて備えているものがイノベーション管理ツールです。ここで世界標準と呼ばれるほどのイノベーション管理ツール『IdeaScale』の機能を紹介したページをご案内します。

世界標準のイノベーション管理ツール『IdeaScale』機能紹介


イノベーション管理ツールの市場動向

世界のイノベーションマネジメント市場は、2021年に10億米ドル、2022年から2030年までの期間での予測としては年平均成長率(CAGR)14%で成長し,2030年には32.5億米ドルに達すると言われています。

市場調査会社のイノベーションマネジメント市場の年平均成長率(CAGR)は、発表する会社によって大きく異なりますが、それでも二桁成長となる市場であることは共通した認識となっており、多くのベンダーが参入しはじめています。


イノベーション管理ツールの代表的なベンダーと比較表

イノベーション管理ツールを提供する代表的なベンダーと、その比較表は以下となります。(2023年5月時点の調査結果)

代表的なベンダーのなかで、すでに日本国内でも多数の実績があり、日本語へのローカライズが完了しているツールとして有名なツールが「IdeaScale(アイデアスケール)」となっています。

製品名称 HYPE
Enterprise Suite
Brightidea Innovation
Cloud
IdeaBridge Planview IdeaPlace Sideways 6 Planbox
Agile Innovation

Management
Suite
Ideanote IdeaScale
開発会社 HYPE Innovation Brightidea Plus Innovations Planview Sideways 6 Planbox Ideanote IdeaScale
本社 ドイツ 米国 インド 米国 米国 米国 デンマーク 米国
製品評価 Gartner  Peer Insights 評価 4.5 4.3 4.5 4.1 4.4 4.3 4.3 4.4
Magic Quadrant
評価
提供なし 提供なし 提供なし 提供なし 提供なし 提供なし 提供なし 提供なし
Forrester Wave
評価
Strong
Performers
Strong
Performers
圏外 Leaders 圏外 Leaders 圏外 Contenders
G2 Crowd
評価
4.5 4.3 圏外 4 4.6 4.8 4.7 4.6
Softwarereviews
評価
8.5 8.5 圏外 8.5 圏外 9.8 9.1 9.1
Capterra
評価
情報なし 4.4 情報なし 4.4 4.7 4.9 4.9 4.6
日本での実績 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 多数あり
日本語のサポート 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 非公開 サポート
あり

イノベーション管理ツールを導入する時の注意事項

忘れてはならないのは、イノベーション管理ツールを導入しただけでは期待した成果を得ることはできません。世界中のイノベーション成功企業の方法論をまとめた国際標準規格:ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)においてもイノベーションを成功させるには、ツール導入と同時にルール策定と運営、人材育成が重要と言われています。

世界的な市場調査会社のアナリストからも

「イノベーション管理ツールベンダーが失敗する例は、ツール開発とツールサポートしか提供しないことだ」
「イノベーションはツールだけ導入しても目的を達成することは難しい」
「イノベーションの方法論を理解し、ハッカソンなどのアイデア創出やイノベーションのキッカケ作りを含む支援サービス、コンサルティングなども提供しないとユーザーは目的を達成することはできない」

と提言しています。

イノベーション管理ツールの導入を検討する際は、ツール提供とツールの導入支援だけでなく、イノベーションそのものに対する方法論と研修トレーニング、コンサルティングもしくはコーチングを提供できる力量をもつベンダーを選定することが重要です。


イノベーション管理ツールの導入効果(メリット)

イノベーションの仕組みの中核となるイノベーション管理ツールを導入すると、多くの効果(メリット)を生み出します。

ビジネス視点から捉えれば、イノベーション管理ツールは「新しい価値を創出する」ことを属人的ではなく組織的に行える仕組みを実現するために存在します。

この仕組みを作ることで「新しい価値を創出する」という以外にも多くの効果(メリット)を得ることができます。

  • 組織が自律的にイノベーションやカイゼンを行えるようになる
  • 新規事業開発やイノベーションのやり方が身につく
  • 従業員エンゲージメントが向上し、雇用の創出や離職率が低下する
  • 顧客満足度が向上し、ビジネスが成長する
  • 成功と失敗の振り返りにより、経験が組織に伝承される
  • 組織が仮説検証型の未来予測ができるようになる
  • 組織がマイナス思考(暗病反)からプラス思考(明元素)に変わる

すでにイノベーション関連部門や新規事業開発部門、デジタルトランスフォーメーション(DX)部門に所属する方はイノベーション管理ツールの必要性を感じているものと思いますが、経営企画部門や人事部門の方についても、人材育成や組織開発という課題に取り組まれているのであればイノベーション管理ツールの導入は効果的となります。

つまりイノベーション管理ツールは、現在の日本が直面する経営課題を解決する必要不可欠なプラットフォームといえます。


おわりに

イノベーション管理ツールによって得られる効果は絶大です。

活用方法についても、多くの課題を解決いたします。

  • イノベーションの仕組みをスモールスタート
  • オープンイノベーションとしての活用
  • 外部とのコラボレーションによるイノベーション
  • 言語の壁を超えた世界中からの製品フィードバック
  • CoE(センター オブ エクセレンス)の運営
  • アルムナイネットワークの運営

以下は一例となる導入事例です。

こちらから資料をダウンロードする

株式会社システムコンシェルジュでは、イノベーション管理ツールの製品情報やイノベーションの動向調査レポートを公開しています。こちらから無料でダウンロードできます。

資料をダウンロード

株式会社システムコンシェルジュとは
国内初の国際標準規格:ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)認証を取得したIT企業です。また、ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)においても国内初の認証取得をいたしました。ITサービス業では、世界初の取得となります。

ITを活用したコンサル型の業務改善プロバイダーとして、長年培った知識や経験、IT技術を保有し、定常的な市場や先進技術の情報収集から、お客さまの多様な経営課題を解決してまいりました。この経験と活動を体系化し、ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)に適用させた方法論が当社の強みです。私たちはお客さまの問題や悩みをお聞きし、解決策を提案する役割を果たしています。

  • SHARE
  • line

この記事の監修者

INNOVATION WORLD 編集部

株式会社システムコンシェルジュが運営するオウンドメディア「イノベーションワールド」の編集チームです。皆さまのお困りごとを解決する私たちの取り組みなどをご案内いたします。

  • twitter
  • instagram
  • facebook

Related Post関連記事

  • コラム

イノベーションワールドとは

『イノベーション ワールド』は、現代の経営やビジネスにおいて大切なイノベーションに取り組む人々をサポートするウェブサイトです。このサイトでは、イノベーションに関連する成功例や失敗談、新しいアイデアや考え方、様々な悩みについて情報を提供します。

INNOVATION WORLD 編集部

イノベーションワールドとは
イノベーション活動にアルムナイネットワークが重要な理由
  • コラム

イノベーションにアルムナイネットワークが効果的な理由

オープンなイノベーションには外部協力者が必要不可欠です。元従業員たちのネットワーク(アルムナイネットワーク)によって、ビジネス機会を増大させ、新しい価値を創出しやすくすることができます。本記事ではアルムナイネットワークがイノベーション活動に必要な理由を解説します。

INNOVATION WORLD 編集部

イノベーションにアルムナイネットワークが効果的な理由
アジャイル開発イメージ
  • コラム

変化に強い企業をつくる|アジャイルとイノベーションの相乗効果

アジャイル手法がイノベーションを加速させる仕組みを解説します。変化への柔軟な対応、スプリントによる迅速な開発、継続的なフィードバック、そして自律的なチーム運営により、顧客ニーズに即応した革新的な価値創出が可能になります。大規模組織での導入課題とその克服法にも触れ、アジャイルを通じた持続的成長の道筋を示します。

INNOVATION WORLD 編集部

変化に強い企業をつくる|アジャイルとイノベーションの相乗効果
ISO56002(イノベーション マネジメントシステム)認証取得企業一覧
  • コラム

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の認証を取得した企業

ISO56002(イノベーション マネジメントシステム)を認証取得した企業の一部を紹介します。

INNOVATION WORLD 編集部

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の認証を取得した企業
  • コラム

イノベーションとマーケティングの融合 ~競争力強化の新戦略~

マーケティング部門にはイノベーション活動は必須要件となります。近年ではマーケティングの失敗はビジネスの失敗に直結するほどの重要な要素となりました。マーケティングをイノベーティブな活動に変える方法を解説します。

INNOVATION WORLD 編集部

イノベーションとマーケティングの融合 ~競争力強化の新戦略~
  • コラム

ビジネス組織において属人化は本当に悪者なのか?

属人化は「ネガティブ」な捉え方をされがちですが、善良な思いから生まれた属人化を悪者扱いにせずに組織の強みに変えるための方法を解説します。属人化とは悪者ではなくヒーローなのかもしれません。

INNOVATION WORLD 編集部

ビジネス組織において属人化は本当に悪者なのか?

Recent Posts新着記事

  • 特集記事

組織がイノベーション不全に陥る罠 〜やっているのにイノベーションに結びつかない活動とリスク〜

イベント、研修、アイデア募集――活動は増えているのに、なぜ価値創造につながらないのか。本記事では、「アイデア不足」「文化不足」という自己診断の危うさや、活動が“仕事をしているように見せる”方向へ変質していく構造を解説します。ISO 56001やイノベーション管理ツール、生成AI時代の課題にも触れながら、企業が陥りやすい“イノベーションの機能不全”を考察します。

INNOVATION WORLD 編集部

組織がイノベーション不全に陥る罠 〜やっているのにイノベーションに結びつかない活動とリスク〜
  • 特集記事

ISO 56002からISO 56001への移行が示す「イノベーション経営」の本質的変化

ISO 56002とISO 56001は何が違うのか。本記事では、ガイダンス規格から要求事項規格への変化を整理しながら、ISO 56002からISO 56001への移行が意味する本質的な変化を解説します。イノベーションを「参考にすべき考え方」から、「組織として定着・再現・価値実現できる経営システム」へ転換する流れについて、実務と経営の両面から考察します。

INNOVATION WORLD 編集部

ISO 56002からISO 56001への移行が示す「イノベーション経営」の本質的変化
  • 特集記事

なぜ企業はISOを拒むのか 「手間が増える」の背後にある、全体最適を拒む組織の構造

現場がISOを拒む背景には、「手間が増える」という表面的な理由だけでなく、全体最適より部門最適を優先してしまう組織構造があります。本記事では、ISO導入時に現場で起こりやすい反発や形骸化の本質を整理します。さらに、経営資源配分、評価制度、IT基盤、組織運営の観点から、ISO56001にも通じる“説明可能な経営”と“継続的な価値創出”を支える仕組みについて解説します。

INNOVATION WORLD 編集部

なぜ企業はISOを拒むのか 「手間が増える」の背後にある、全体最適を拒む組織の構造
  • 特集記事

アイデアを集めるだけでは、イノベーションは起こらない 「仕組み化しているつもり」の企業が見落とす、価値創出の本質

イノベーション部門を作るだけでは、体制は機能しません。アイデアを集めるだけでも、価値創出にはつながりません。本記事では、「やっているのに成果につながらない」組織に共通する構造的課題を整理します。そのうえで、ISO 56001の観点から、アイデアを評価・検証・学習・意思決定へつなげ、価値へ変換していく“本当の仕組み化”とは何かを解説します。

INNOVATION WORLD 編集部

アイデアを集めるだけでは、イノベーションは起こらない 「仕組み化しているつもり」の企業が見落とす、価値創出の本質
  • 特集記事

生成AIを「アイデア出し」で終わらせない 〜 イノベーションの成果につなげる組織の仕組みとは 〜

生成AIを導入しても、なぜ価値創出につながらないのか。本記事では、アイデア数や資料完成度を成果と誤認することや、目的が曖昧なPoCを繰り返してしまう構造的な課題を整理します。さらに、生成AIを単なる“アイデア出し”や“資料作成”で終わらせず、仮説検証・組織学習・意思決定・実装まで含めた価値創造の仕組みへ組み込む重要性を解説し、ISO56001の観点から成果につなげる組織の仕組みを考察します。

INNOVATION WORLD 編集部

生成AIを「アイデア出し」で終わらせない 〜 イノベーションの成果につなげる組織の仕組みとは 〜
  • イベント・セミナー

6月2日セミナー開催|【PMOの負担をどこまで減らせるか?】情シス、DX部門のプロジェクトを生成AIで効率よく進める方法 ~進捗・残課題からユーザ公開後の対応まで、生成AI×ナレッジ管理で必要な情報をすぐ活かす~

2026年6月2日開催|生成AIを活用し、プロジェクト管理とナレッジ管理の情報を一気通貫で連携。迅速な意思決定と業務効率化を支援する実践ポイントを解説します。

INNOVATION WORLD 編集部

6月2日セミナー開催|【PMOの負担をどこまで減らせるか?】情シス、DX部門のプロジェクトを生成AIで効率よく進める方法 ~進捗・残課題からユーザ公開後の対応まで、生成AI×ナレッジ管理で必要な情報をすぐ活かす~