• コラム

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の認証を取得した企業

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 23.12.12
ISO56002(イノベーション マネジメントシステム)認証取得企業一覧

2024年9月にISO56001がリリースされ、ISO56002認証の取得企業はISO56001への移行を進めています。

ISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)の
認証取得一覧(2026年1月時点)

前回調査から、わずか半年で2倍以上の認証取得を確認

はじめに

VUCA(不確実性)の時代となり、何が起こるか予測不能なビジネス世界となった状況において、イノベーションに関わる取り組みが活発化しています。一部ではイノベーションとは、会社を起業したり、ゼロからモノや技術を作り出すことだったりという認識をもたれている方もいらっしゃると思いますが、本来のイノベーションとは、そういったものではありません。

既にあるものを組み合わせて、「新しい価値」を創り出すというのがイノベーションの本質となります。
イノベーションに取り組む企業は、継続的な成長を促し、企業価値における時価総額にも影響を与えます。
イノベーションに取り組む企業と取り組んでいない企業の時価総額は大きな差がでていることは調査結果からの明らかになっています。過去の記事にも調査結果を公開していますので参考ください。

参考:イノベーション・マネジメントシステムを支援するイノベーション管理ツールについて

新規事業開発およびイノベーションの成功企業が実践した方法をベストプラクティスとしてISO規格化したものが、ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)となります。


ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)とは

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)とは、イノベーションに関する国際標準規格です。このISO規格はビジネス組織のイノベーション活動プロセスを体系的に管理し、新しい価値の創造と創出を行うための枠組みとガイドラインを提供します。ISO 56002は、イノベーション活動プロセスだけでなく継続的に成長する組織文化の醸成、人材育成、ビジネス戦略、パフォーマンス指標を設定することにも役立ちます。

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)は、左図の要素で構成されています。

次の4つの領域で捉えるとわかりやすいかもしれません。

領域 概要
目的と位置の確認(羅針盤)

「ミッション・ビジョン・バリュー、目指す価値」などの明確化と組織への浸透。
「目指す価値」に対する現在地と目指す方向性の把握。

活動プロセス(実際の活動)

イノベーション推進
「機会の特定」から「アイデア」を「コンセプト」に醸成し、「コンセプトを評価検証」する。
これらの活動は非線形として捉え、手戻りプロセスを許容する必要がある。

プロジェクト推進
「ソリューションの開発」と「ソリューションの導入」は、製品・サービスを実際に開発し市場へ販売する活動を指します。

活動支援体制(機動力、推進力)

活動プロセスに機動力、推進力を加えるための12の支援体制。

評価・改善(振り返り力)

失敗と成功を評価し、アイデアのストックとリサイクル、組織としての同じ失敗を繰り返さないためのナレッジ蓄積などに効果。


独自の方法論に潜む危険性(リスク)

前述のISO 56002の構成要素や4つの領域を読んだ方の中には、「これは既に実践している」とか「思ったほど新しいことではない」と感じる人もいるかもしれません。私自身も初めはそう思いました。しかし、私が理解できているとしても、チームメンバー全員が同じように理解し、活動しているかというと、多くの場合、その答えは「十分ではない」となります。

国際的に見ると、新規事業開発やイノベーション活動は、特定の傑出した人材のみに依存するものではなく、組織全体の取り組みとして認識され始めています。独自の考えや経験に基づいた方法論を用いることには大きなリスクが伴います。多くの企業が、成功を収めた方法論を採用し、それを評価し改善することが最も効率的であると気づき始めています。

過去の成功体験に囚われることなく、変化に適応する最適な方法を模索する能力が重要です。

ISO 56002(イノベーション・マネジメントシステム)とは、そのような仕組みと方法論を組織に組み込むための国際標準規格です。


海外のISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)を認証している企業

すでに200社以上がISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)を採用し、一部では認証取得が始まっています。(2023年5月時点)

業界での特色としては、海外では建設・エンジニアリング、交通・生活インフラ、ITなどの業界が積極的に認証取得を行なっています。

国の方策としては、イノベーションの取り組みを活発化している国は米国と中国となっており、GDP(国内総生産)の成長曲線からもイノベーションは成長に必要不可欠な取り組みであることが証明されています。

ISO56002認証取得を公開している企業例

会社名 業界 事業概要 URL
Highlight IT関連業界 米国連邦政府の顧客に開発と最新化、安全なIT、ミッション ソリューションを提供 https://highlighttech.com/hi-way/
Enel エネルギー関連業界 Enel(イタリアの国家電力会社) は、1,000 を超えるエネルギー生産会社の統合により 1962 年に設立され、再生可能資源からクリーンエネルギーの生産に取り組む事業を展開 https://www.enel.com/
Magnus Management Group LLC IT関連業界

MagnusManagement Group, LLC は 2005年に設立。同社の事業内容には、コンピュータ関連サービスとコンサルティングの提供

https://www.mmgllc.us/
Emirates Steel 建設・製鉄 エミレーツ・スチールは、アラブ首長国連邦唯一の総合製鉄所であり、ゼネラル・ホールディング・コーポレーション(SENAAT)の子会社として事業展開 https://www.emiratessteelllc.com/
Skanska UK 建設・土木 Skanska社は、135年以上の歴史をもつ会社です。建設・土木の分野で知識と先見性を駆使して、人々の生活、仕事、つながりをカタチ作ります。

https://www.skanska.co.uk/

Mott MacDonald Limited
建設・インフラ Mott MacDonald社は、脱炭素や医療インフラ、エネルギーインフラなど、世界中の公的なプロジェクトから民間プロジェクトなどを展開をする建設会社です。

https://www.mottmac.com/


国内のISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)を認証している企業

日本初のISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)認証取得の発表

2023年12月20日に日本国内で最初のISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)認証を取得が発表されました。
イノベーション管理ツール『IdeaScale』、プロジェクト管理ツール『ONES Project』、ナレッジ管理ツール『ONES Wiki』というITツールをISO56002の活動プロセスに適用させ、規定やガイドラインなどの文書、人事評価制度や組織の変更を行い、着手から約3ヶ月でISO56002の仕組みを構築しました。

日本国内でISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)認証取得企業は株式会社システムコンシェルジュのみでしたが、2024年10月に沖電気株式会社が認証取得し、現在2社となっています。(2024年10月15日時点)

日本国内でISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の認証審査の実績をもつ審査機関はBSIグループジャパン株式会社のみです。(2024年10月15日時点)

会社名 業界 事業概要 URL
株式会社システムコンシェルジュ 情報通信業、システムインテグレータ 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するシステムインテグレータ(SI)会社です。主な事業は、顧客にお悩みから最適な方法論とITツールを導き、導入支援を行うSIサービスですが、その能力を向上させるためにISO56002認証の取得を行いました。その派生によってイノベーションやDXを支援するサービスも展開。ITソリューション全般にわたる全方位&ワンストップサポートを提供しています。 https://systemcon.co.jp/
沖電気工業株式会社 半導体、電子、精密機器 コンピュータ、通信機器、OA機器関連 通信システム、情報処理システム、社会インフラの維持・向上を支える製品とサービスを提供している企業です。特に、社会インフラを支える通信設備や、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するソリューションに力を入れており、技術開発やイノベーションを通じて、安心で豊かな社会の実現に貢献しています。 https://www.oki.com/jp/innovation/

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)を認証取得するメリット

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)認証を取得した株式会社システムコンシェルジュでは、認証取得のメリットを次のように述べています。

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)認証取得のメリット

項目 概要
新規事業開発・イノベーション活動の重要要素とやり方が理解できる。 多くの企業では「活動プロセス」領域に対しては積極的ですが、周辺領域である「目的と位置の確認(羅針盤)」、「活動支援体制(機動力、推進力)」、「評価・改善(振り返り力)」に対しては、十分に取り組めていないのが実情です。これらの領域の重要性が理解でき、やり方を知ることができるようになりました。
世界中のユースケースを知り、具体的な仕組みをイメージできる。

ISO56002の漠然とした要求事項により解釈が困難になる場合があります。BSIの審査員より「改善の機会」として、海外のイノベーション事例を多数紹介いただいたことで具体的な仕組みを構築することができました。

イノベーションの仕組みの範囲や程度を把握できる。

ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の要求事項は広範囲で多岐にわたります。この広範囲な要求事項を精密に具現化・仕組み化すると柔軟性がなくなり、イノベーション活動に悪影響をもたらします。ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)認証の取得を通じて、この範囲や程度を把握できたことは有益でした。


ISO56001との関係について

2024年秋に、ガイダンス規格のISo56002をベースにしてマネジメント規格に昇格したISO56001(イノベーション・マネジメントシステム)がリリースされます。

参考記事 ISO56001のリリースが間近に迫る ~イノベーション・マネジメントシステムが日本企業にもたらすこと~

ISO56001は、ISO27001やISO9001と同様に、企業の活動や経営基盤を管理するための国際規格です。この規格は、経済産業省などの公的機関だけでなく、日本の大手企業でも導入が進められています。また、SDGs(持続可能な開発目標)にも対応しており、今後の企業活動において重要な要素となると考えられています。

さらに、機関投資家などからも注目されており、海外ではイノベーションに取り組んでいる企業とそうでない企業の間で、時価総額に大きな差が生じていることが報告されています。

過去の記事では「イノベータ(イノベーション企業)と一般企業の時価総額の推移」を公開しています。

参考記事 イノベーション管理ツールでイノベーション・マネジメントシステムを支援

まとめ

IS056002(イノベーション マネジメントシステム)は、BtoC、BtoBに限定せず、あらゆる業種・業態に適用できます。もちろん小売・飲食・輸送などに関しても例外ではありません。企業理念、ミッション・ビジョン・バリュー、経済、社会、法律、地理、自然、顧客、取引先、従業員、技術、特許など、あらゆる情報を点と捉え、点を結合させて価値を生み出す方法論が、ISO56002(イノベーション マネジメントシステム)となります。

この方法論を現実的に運用するには、ITツールの活用が必須要件となります。

株式会社システムコンシェルジュでは、方法論、ITツール、イノベーション人材育成の3つに領域に対して導入支援を提供し、さらにイノベーション マネジメントシステムの内部監査プログラムなどの含む運用支援まで提供することが可能です。


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株式会社システムコンシェルジュは、イノベーション・マネージメントシステムに関するツール導入や活用方法などをお客様にサービス提供しています。

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この記事の監修者

INNOVATION WORLD 編集部

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