概要:イノベーションが起こせない組織では、現在はうまくいっている既存のビジネスでも競合他社に遅れをとるリスクがあります。イノベーションを成功させるには、実行可能な戦略が必要です。近年、市場の需要を反映して、イノベーション専門の部門や職種が増加しています。これらの職種は、新しいアイデアや取り組みを市場に適応させるための重要な役割を担っています。
なぜイノベーションのスペシャリストが必要なのか?
イノベーションのスペシャリストが必要とされる理由は、技術の進歩と市場ニーズの変化が速いためです。
経営幹部からエンジニアに至るまで、組織内の各レベルでイノベーション専門家の重要性が増しています。組織は、新しい技術の導入や新たな課題への対応といったイノベーション活動を進めるために、プログラムの試験運用、機器のテスト、提案の収集、データ分析などを専門的に行えるフルタイムの専門家を必要としています。
イノベーションコンサルタント
イノベーションコンサルタントは、契約期間のある独立した請負業者であることが一般的です。イノベーションコンサルタントは、クライアント企業がイノベーションの目標を策定および計画するのを支援します。イノベーションの組織・文化の醸成を支援したり、現在の目標を再調整する戦略と事業計画を構築します。イノベーション文化、アイデア出しプロセス、および機会の特定についてアドバイスします。
イノベーションコンサルタントの職業の年収は、約97,000ドル(約1450万円)から150,000ドル(約2250万円)を稼いでいると言われています。
最高イノベーション責任者(Chief Innovation Officer:CINO)
最高イノベーション責任者(Chief Innovation Officer:CINO)は、ビジネス組織や会社組織のイノベーション戦略を指揮する重要な役職です。彼らはイノベーションを阻害する要因と取り除き、方法論や手法の定着や改善、創造的思考を促進し、イノベーションに関わる様々な活動を支援および管理します。これには市場調査、社内トレーニング、新製品開発のサポート、新市場の特定、革新的なプラットフォームの導入、有望なプロジェクトへの資金提供などが含まれます。
欧州戦略的イノベーションセンターのCEO、Alessandro Di Fiore(アレッサンドロ・ディ・フィオーリ氏)は、最高イノベーション責任者における7つの重要な役割を以下のように挙げています。
- 斬新なアイデアや洞察を得るために市場調査のベストプラクティスをサポートし、創造的思考を促進するプロセスを導入する
- イノベーションを追求するために必要な主要なスキルについて企業担当者をトレーニングする
- 新しい製品やサービスの取り組みをサポートし、その取り組みをサポートする方法についてマネージャーをトレーニングする
- 新しい市場やビジネスの機会を特定する
- アイデアソン、ハッカソンやクラウドソーシングなどのアイデア創出の仕組みやITプラットフォームや実践方法を主導的に導入
- 資金を、価値を創出する優れたアイデアに振り向ける
- 有望なプロジェクトへのリソースの割り当てとサポート
これらはISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)でも提唱されているため、最高イノベーション責任者となる職種ではISO56002の知識をもつことは必須となります。
最高イノベーション責任者の年収は、約 180,000 ドル(約2700万円)程度と言われています。
イノベーション エンジニア
イノベーション エンジニアは、イノベーション活動を行う上で最も重要な役割です。彼らは革新的なアイデアを創出する活動のなかでエンジニア視点でのアプローチを担います。そしてアイデアがコンセプトに変わるとソリューション開発の段階となりますが、その際の役割はソリューション開発のプロジェクト運営、ソリューション開発中の問題解決を行い、プロトタイプの開発、テスト、サービスと社内イニシアチブの設計に至るまで幅広い業務を担当します。
これらの要素は、イノベーションとプロジェクト管理の力量を保有し、技術知識と開発経験をもつエンジニアが担当となります。
イノベーション エンジニアの上位職種として、最高技術イノベーション責任者(CTIO)という職種があります。
イノベーション エンジニアの年収は、 約75,000 ドル(約1125万円)から 90,000 ドル(約1350万円)程度と言われています。
イノベーション・ストラテジスト
イノベーション・ストラテジストは、組織の運営を分析し、健全なイノベーション戦略の開発を担う専門家です。彼らはイノベーションに関するリーダーシップを発揮し、PoC(概念実証)やアイデアの試験運用、テスト、実装の監督を行います。また、リスク管理や経営幹部、ベンダーとの協力も行う役割があります。多くは経営管理の学位と部門横断的なチーム管理の経験を持っています。
イノベーション・ストラテジストの年収は、約62,000ドル(約930万円)程度と言われています。
|
役職 |
概要 |
主たる業務 |
年収 |
|
イノベーションコンサルタント |
|
クライアント企業へ以下を提供する
|
約 97,000 ドル(約1450万円)~150,000 ドル(約2250万円)程度 |
|
最高イノベーション責任者 |
|
イノベーションに関わる多岐にわたる活動を担う
|
約 180,000 ドル(約2700万円)程度 |
|
イノベーション エンジニア |
|
幅広い業務を担当
|
約 75,000 ドル(約1125万円)~ 90,000 ドル(約1350万円)程度 |
|
イノベーション・ストラテジスト |
|
イノベーションリーダーシップを発揮し以下を担当
|
約 62,000 ドル(約930万円)程度 |
各職種の共通知識と必要な力量
各職種の共通知識は、国際標準規格のISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の知識を保有することが重要です。これまでの日本組織は独自の手法を作り、独自の強みを追求しがちですが、それはITシステムに例えるとフルスクラッチで開発した業務システムのように変化に素早く対応することができなくなります。パッケージソフトを導入して適合しないギャップ部分のみをカスタマイズすることが望ましいといえます。
またISO56002を知ることは、イノベーション組織内の共通言語としてコミュニケーションがスムーズになり、イノベーションの促進にもつながります。
2024年1月22日にわかりやすいISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の書籍が出版されておりますので、ご参考ください。
イノベーション・マネジメントシステム(IMS)に関するご相談
株式会社システムコンシェルジュは、イノベーション・マネジメントシステムに関するツール導入や活用方法などをお客様にサービス提供しています。
ご相談はこちら