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リモートワークを推進するとイノベーション活動が活性化される理由

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 24.04.08
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はじめに

創造性が必要なイノベーション活動にはチームがワークスペースで効果的に働くことが欠かせません。とくに、共同作業、ブレインストーミング、アイデア出しなどのイノベーション活動プロセスには同じ空間に一緒にいることはとても重要な要素です。
しかし新型コロナ感染症の影響により在宅勤務(リモートワーク)を余儀なくされイノベーション活動などを含む、すべての知的創造作業が停滞してしまう恐れがありました。
世界的な市場調査会社ではオフィス内に飛び交う会話や情報すらも情報収集の一環であったため、在宅勤務(リモートワーク)によって情報収集の質と量やディスカッションの機会の減少という影響がでたとも聞いています。
このようにオフィスワークから在宅勤務(リモートワーク)に切り替わった影響がある一方で、イノベーションの視点からは「機会」とも「脅威」とも捉えられることとなります。

例えば、これまでのような働き方では「暗黙知」となっていた知識や情報も、在宅勤務(リモートワーク)に対応した適切なコラボレーションツールを導入すれば、「暗黙知」が「形式知」に変わり、それを周囲のメンバーが活用すれば生産性は一気に上がることも期待できます。これが達成できれば、在宅勤務(リモートワーク)であってもイノベーションを促進することにつながります。

この記事では、在宅勤務(リモートワーク)であってもイノベーションを起こす方法について解説します。


デジタルワークスペースの必要性

在宅勤務(リモートワーク)が定着した現在の働き方でも効率を保つためには、オンラインで利用できるワークスペースの利用が欠かせないことに多くの企業が気づき、導入をしています。在宅勤務(リモートワーク)のワークスペースは、従来のオフィス環境とは異なりますが、人々が共同作業でイノベーションを生み出し、プロジェクトを成功させることは可能です。

海外ではリモートワーク環境下でありながらイノベーション活動や知的創造作業を行っています。そのためにはITツールの活用は必要不可欠となります。在宅勤務(リモートワーク)であっても仕事の生産性を低下させないための代表的なITツール群を以下に紹介します。

これらのITツールは、どれか一つということではなく、業務に必要なものはすべて導入することが望ましいと考えてください。

ツール種類

説明

タスク管理ツール

個人またはチームのタスクを整理、優先順位付けし、効率的に作業を進めるために使用されるツール。
代表例:ONES Task、ONES Project、Trello、Notion、Asanaなど

ナレッジ管理ツール

知識や情報を中央で管理し、共有するためのツール。文書、FAQ、データベースなどを整理しアクセスしやすくする。
代表例:ONES Wiki、Notion、NotePM、Confluenceなど

プロジェクト管理ツール

プロジェクトの計画、スケジューリング、リソース割り当て、進捗追跡などを管理するためのツール。
代表例:ONES Project、Notion、Jira、Asana、Wrike、backlogなど

オンライン会議ツール

リモートでの会議やプレゼンテーション、ディスカッションを可能にするビデオ会議システム。
代表例:Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、WebEXなど

オンラインホワイトボードツール

アイデアやプロセスを視覚化し、チームメンバーがリアルタイムでコラボレーションするためのインタラクティブな作業スペース。
代表例:IdeaScale、Miro、Microsoft Whiteboard、Strap

イノベーション管理ツール

新しいアイデアや概念を発展させ、管理し、評価するために使用されるツール。イノベーションのプロセスを促進する。
代表例:IdeaScale

コミュニケーションツール

チームメンバー間の即時通信やコラボレーションを可能にするプラットフォーム。
代表例:Slack、Micorosoft Teams、Chatworksなど

ビジネスプロセス管理ツール

ビジネスプロセスをモデリング、自動化、最適化するために使用されるツール。効率性を高め、エラーを減らすことが目的。
代表例:X-Point、Activiti、MAJOR FLOW Zなど

オンラインストレージ

ファイルやドキュメントをインターネット上に保存し、どこからでもアクセスできるようにするサービス。セキュリティと共有機能が強化されている。
代表例:Microsoft365、Google Drive、Box、など

オンライン作図ツール

図、フローチャート、UML図などの作図をオンラインで行えるツール。チームでの共同作業やドキュメント作成をサポートする。
代表例:Figuma、Lucidchart、ONES Wikiなど


リモートワークでもイノベーション活動(知的創造活動)する方法

イノベーション活動(知的創造活動)のプロセスとは、一般的には情報収集からの気づきから始まり、機会と脅威などの分類・整理、アイデア出しと選出、ビジネスプラン(コンセプト)への変換、そして製品・ソリューションの製造・開発・リリースを行い、評価・分析・振り返り(フィードバック)というプロセスを繰り返すことで価値を醸成していくことにあります。

以前のワークスタイルであれば同じ場所に関係者が集まり、ディスカッション、アイディエーションなどを行うのですが、在宅勤務(リモートワーク)を組み合わせたワークスタイルの場合は、前述のITツールを活用して効率よく知的創造活動を行うことができます。それにITツールを活用することで以前のワークスタイル以上のメリットを得ることができます。


情報収集からの気づきと分類整理

イノベーションがいつ、どのような状況で起こるかは予測不可能です。どんな時でも、どこにいても、アイデアを閃く可能性があります。在宅勤務の環境では、思いついたアイデアを考えたり、メモしたり、伝えたりすることが簡単に行えます。

ワークスペースや作業中のドキュメントに常時アクセスできることは非常に重要です。特に、これらが共同作業用のITツール上である場合、通常の職場では実現できない機能であり、在宅勤務における大きなメリットの一つと言えます。

国内初のISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の認証取得を行った株式会社システムコンシェルジュでは、情報収集と機会と脅威の特定ステージを以下のように行っています。

どのような些細な情報でもよいので気になった情報をどんどんインプットしていきます。このとき登録された情報に対して、役職者などが「この情報に何の意味があるの?」「これの意図ってなに?」などの質問はメンバーを萎縮させてしまいますので行ってはいけません。

この活動の目的は、以下の内容となります。

  • できるだけ情報を集めること
  • メンバーに外部や内部の情報に興味をもってもらうこと
  • 知的創造活動への参加意識の芽生えと向上

などを目的としています。

収集された情報は、以下のプロセスを隔週で実施します。

利用ツール イノベーション管理ツール『IDEASCALE』
情報インプット どのような情報でもよいので利用ツールに気になった情報をインプットしていきます。メンバーは登録された情報に「いいね」などの投票を行い、一定数を超えると「チーム編成」のステージへ自動的に移行されます。
情報選別チームの編成 情報を選別するチームを編成します。同じ思考特性のメンバーを重複させないようにチーム編成しましょう。
情報判断 「機会」「脅威」などの影響判断を行います。
判定評価 対応が必要な影響判断された対応が必要な情報をアセスメントして優先順位をつけます。

 

この仕組みによって、イノベーション活動(知的創造活動)に対する組織の状態、事業に対する外部や内部の状態、情報入手から対応完了までの組織の俊敏性(アジリティ)を確認することができるようになります。


アイデア出しからコンセプトへ

対応すべき情報が決まったら、アイデア出しの段階へ移行します。アイデア出しにはテーマ設定が必要不可欠です。テーマを設定しないとアイデアが拡散してしまったり、誹謗中傷などの非生産的な方向に進んでしまったりなど良い結果を生み出すことができません。

イノベーション管理ツール『IDEASCALE』では、これを方法論に該当する「キャンペーン」というテーマ設定の機能が提供されているため、それを活用します。(以下、参照)

ときにはオンラインホワイトボードを活用してディスカッションなどを行います。イノベーション管理ツール『IDEASCALE』ではキャンペーンに紐付けされたホワイトボード機能を利用することができます。IDEASCALEの嬉しい利点は、このオンラインホワイトボードは組織内外のイノベーション関係者のすべてにユーザー無制限で利用できること。そして新規事業やカイゼン、イノベーション、アイデア出しへの数多くのテンプレートが用意されていることです。

在宅勤務(リモートワーク)であっても、世界中の様々な分野のイノベーターやクリエイターたちとのコミュニケーションや共同作業を行うオープンイノベーションとして活用したり、組織内のイノベーションに関わるメンバーとの共同作業として利用したりするなど多くの用途に利用することが可能です。このアクセシビリティは、これまで離れた拠点にいる社員の人々や自組織外の人々との共同作業が困難だった従来の働き方と比べると大きなメリットです。

最高のイノベーションは、異なる考え方、経験、意見を持つ人々が協力してアイデアを組み合わせる時に生じます。このような協力が実現すると、思いもよらなかった素晴らしい成果が生み出されます。在宅勤務(リモートワーク)の機会を広く活用することで、普段は交流のない人々との協力が可能になり、これが革新的なソリューションを生み出す近道になります。

最も根本的なイノベーションは、アイデアのコンテストに多くの応募があるときに生じることがあります。在宅勤務(リモートワーク)は、このようなイノベーションを促進するための効果的なプラットフォームであると言えます。


製品・ソリューションの開発からリリース

前工程によってコンセプトのレビューと承認が行われ、イノベーション管理ツール『IDEASCALE』のFund:予算割り当て機能によって予算などの必要なリソースが割り当てされたら、製品・ソリューションの開発段階に移行します。

前工程では、誰に、何を、価値、機能、リソース、期限などが明確になり、ITツールによって共有されているため製品・ソリューションの開発チームは、目的や価値を見失うことはありません。

これは、世界中の成長企業が実践するISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)のガイドライン、グローバルイノベーションマネジメント研究所(GIMI)の方法論、Scaled Agile Framework(SAFe)やScrum@Scaleなどのエンタープライズ・アジャイル手法にも重要な要素として記されています。日本の組織は現場従業員への生産性向上を目的とした取り組みが多いなかで、海外では経営と従業員を直結することで生産性を高める仕組みが効果を発揮しています。

株式会社システムコンシェルジュでは、イノベーション管理ツール『IDEASCALE』によって明確になったビジネスモデルキャンパス(BMC)を開発チームに伝達し、プロジェクト管理ツール『ONES Project』(ワンズ プロジェクト)にてプロジェクト管理を行っています。

ONES Projectは、経営部門、事業部門、IT部門などの部門単位、個人、チーム、組織という階層においても簡単に利用できるタスク管理、プロジェクト管理を行うことができ、アジャイル手法、ウォーターフォール手法、一般的なタスク管理など複数の管理手法に対応可能なデジタルトランスフォーメーション(DX)に適したプロジェクト管理ツールです。
株式会社システムコンシェルジュでは、ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)と日本のビジネス環境を考慮した要件を策定し、9種類のプロジェクト管理ツールと比較検討した結果、プロジェクト管理ツール『ONES Project』を採用しました。


評価・分析・振り返り

イノベーション活動(知的創造活動)において、成功と失敗の経験、5W1Hが紐付けされた中間成果物、収集された情報、機会と脅威の特定に至る判断方法などのプロセスに基づいた振り返り、顧客などからのアンケートによって得た結果と、当初の目的と価値との差などの目的や価値に対する振り返り、メンバーの感情的な振り返りなど、単純に振り返りと言っても、さまざまな種類やフレームワークがあります。

以下に代表的な振り返りのフレームワークを解説します。

フレームワーク名

説明

Starfish

活動を「もっとする(Start Doing)」「続ける(Keep Doing)」「少なくする(Do Less)」「やめる(Stop Doing)」「増やす(Do More)」の5つの領域に分類します。チームパフォーマンスにどのような影響を与えたかを評価するために使用されます。

4L (Liked, Learned, Lacked, Longed For)

「好きだったこと(Liked)」「学んだこと(Learned)」「不足していたこと(Lacked)」「望んだこと(Longed For)」の4つの領域に焦点を当てます。ポジティブな側面と改善の余地をバランス良く振り返ります。

Sailboat

セイルボートの比喩を用いて、目標に向かって進むための推進力と障害物を特定します。チームが現在の位置と進むべき方向を理解するのに役立ちます。

Mad, Sad, Glad

プロジェクト中にメンバーが感じた「怒り(Mad)」「悲しみ(Sad)」「喜び(Glad)」の感情に基づいて振り返ります。チームの絆を深め、仕事の感情的影響を明らかにします。

KPT (Keep, Problem, Try)

「続けるべき良い実践(Keep)」「遭遇した問題(Problem)」「試みるべき新しいこと(Try)」の3つのカテゴリーに基づいて構成されます。問題に対処し、革新を促進するバランスの取れたアプローチを提案します。

振り返りは、「暗黙知」を「形式知」に変換するための重要なプロセスです。このようなプロセスを経て、経験を形式知として蓄積することで成功率の高いイノベーション活動によって新規事業やカイゼン活動に役立てることが可能になります。

株式会社システムコンシェルジュでは、成功した情報よりも失敗した情報を重要視しています。他プロジェクトや他メンバーが同じ失敗を繰り返すことは生産性を低下させ、ビジネス脅威(リスク)になり得るからです。私たちはナレッジ管理ツール『ONES Wiki』に失敗を自慢するスペースを作成し、振り返り結果のなかで失敗した情報を登録しています。


ITツールを活用するメリット

ITツールを活用することで、在宅勤務(リモートワーク)であったとしても生産性を低下させることはありません。むしろ口頭で説明した伝言ゲームによって生まれる齟齬や手戻りを考えれば、はるかに効率的なワークスタイルとなります。

さらにツール内に知的財産として記録されるため、知的財産(アイデアや情報、経験や知識、ナレッジなど)を再利用することが可能になります。

従来、知的財産は特許などの法的知財に限定された管理が一般的でしたが、現在では従業員のアイデアや経験、知識、人脈、力量などのすべての情報が知財として管理される必要があります。

今回はご紹介できませんでしたが、イノベーション管理ツール『IDEASCALE』には、簡単なタレントマネジメントとしての活用も可能なため、知的創造活動におけるチームビルディングにも利用できます。

株式会社システムコンシェルジュでは、以下の4つのツールによって実現をしています。

用途 『IDEASCALE』 『ONES Project』 『ONES Wiki』 『Microsoft 365』
タスク管理
ナレッジ管理
プロジェクト管理
オンライン会議
オンライン
ホワイトボード
イノベーション
管理
コミュニケーション
ビジネス
プロセス管理
オンライン
ストレージ
オンライン
作図

このように、在宅勤務(リモートワーク)という機会を利用し、ITツールを活用したワークスタイルにすることで、業務効率が上がるだけでなく、新しい価値の創出に必要な知的情報や財産が蓄積され共有できる仕組みが構築されます。

従来のワークスタイルを変えることには、精神的なストレスも発生すると思いますが、それを乗り越えた先にある未来を想像して取り組みしてみてください。つまり何をやるにも目的と価値、ビジョンなど共有と理解が何よりも大切であり、それが十分でなければオフィスワークであっても生産性をあげることはできません。在宅勤務(リモートワーク)という機会によってITツールを活用することで、この大切な事項が意識せずとも日常的なものになることが期待できます。


終わりに

世界中のビジネス環境が大きく変化する中、日本のビジネス環境が顕著に遅れを取っていることは、多くの調査結果でも明らかにされています。時間や場所にとらわれないワークスタイルであっても、従来よりも上回る生産性を実現するワークスタイルの構築は、将来に向けて大きなメリットをもたらします。日本において労働人口の減少が進むなかで、海外の人材や国内の副業を含む人的リソースへのアプローチが「採用困難」という悩みを「機会」へと変えることに至ります。まさに「脅威」を「機会」に変える活動こそが知的創造活動です。このような課題を乗り越えるため、ITツールを活用した在宅勤務(リモートワーク)は、非常に有効な手段であると言えるでしょう。


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INNOVATION WORLD 編集部

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