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アイデアから製品化へのリードタイムを大幅に短縮 IdeaScaleとJiraで実現する開発プロセス

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 25.02.20
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はじめに

IdeaScaleは、2008年のリーマンショック後に、当時のオバマ大統領のイノベーション政策のもとで誕生したイノベーション管理ツールです。このツールは、従業員・顧客・パートナーなどのステークホルダーからアイデアやフィードバックを収集し、それらを評価・選別して迅速に意思決定できる仕組みを提供します。現在、国際的なイノベーション管理ツール市場でリーダー的存在となっており、環境変化に素早く対応する企業に広く採用されています。

一方、Jira Softwareは、Atlassian社が開発したアジャイル開発向けのプロジェクト管理ツールです。アジャイル開発の分野で広く使われており、多くのソフトウェア開発チームが採用しています。

ビジネスの環境が常に変化する中で、製品やサービスの価値を維持・向上させるには、迅速な対応(アジリティ)が欠かせません。
IdeaScaleとJira Softwareは、それぞれ異なる役割を持ちながらも、連携させることでより大きな価値を生み出すことができます。

本記事では、これら2つのツールを連携させることで得られるメリットについて解説します。


IdeaScaleとJiraの役割と特徴

IdeaScaleとJira Softwareは、それぞれ異なるフェーズで活用されるツールですが、これらを組み合わせて使用することで、アイデアの収集から実行に至るまでのプロセスをあらかじめ管理し、組織全体でのイノベーション推進をより効果的に実現できます。

▶IdeaScaleの特徴 ~アイデア収集・管理プラットフォームとしての役割~

IdeaScaleは、組織内外から広範囲にアイデアを収集し、評価・管理するためのプラットフォームです。イノベーションを推進するためには、多様な視点から新しいアイデアを集め、適切に評価・選別して実行に移すことが重要となります。このプロセスを円滑に進めるために、IdeaScaleは次のような役割と特徴を持っています。

  • アイデアの収集
    IdeaScaleを使用すると、従業員や顧客、外部のパートナーなど、幅広いステークホルダーから簡単にアイデアを収集できます。
  • コラボレーションの促進
    集められたアイデアに対して、他のユーザーがコメントを追加したり、改善提案を行ったりすることで、チーム全体のナレッジと創造性を活用することができます。このようなコラボレーションのプロセスは、アイデアの品質を向上させ、より精緻化することができ、実現可能なソリューションの創造を促進します。
  • 投票・評価機能
    ユーザーは、提出されたアイデアに対して投票を行うことができ、組織は人気のあるアイデアや、実現性が高いアイデアを簡単に特定することができます。また、評価基準をカスタマイズし、経済的な影響や技術的な実現可能性など、多角的な視点でアイデアを評価することが可能です。
  • イノベーションを促進する方法
    IdeaScaleを通じて、アイデアの発掘と評価プロセスが迅速化され、組織の全員がイノベーションに参加しやすくなります。オープンで透明性のあるアイデアマネジメントにより、組織内にイノベーション文化を根付かせることが可能になります。

▶Jira Softwareの特徴 ~プロジェクト管理ツールとしての役割~

Jira softwareは、主にソフトウェア開発向けのプロジェクト管理ツールですが、その柔軟性から多くの業界や用途で活用されています。Jiraの主な強みは、タスク管理やワークフローのカスタマイズ、アジャイルプロジェクト管理をサポートする点にあります。

  • タスク管理
    Jiraは、プロジェクト内のタスクを細分化し、各タスクの進捗状況を視覚的に管理できます。チームメンバーにタスクを割り当て、期限や優先順位等を設定することで、効率的な作業計画と進捗の追跡が可能です。
  • ワークフローの柔軟なカスタマイズ
    Jiraでは、組織のプロセスに合わせてワークフローをカスタマイズすることができます。これにより、プロジェクトの進行状況を可視化し、各タスクがどのフェーズにあるかをリアルタイムで把握することができます。特に、アイデア段階から実行フェーズへ、タスクがどのように進行しているかを可視化するのに役立ちます。
  • アジャイルプロジェクト管理
    Jiraは、スクラムやカンバンなどのアジャイル手法をサポートしており、迅速なイテレーションとフィードバックを通じてプロジェクトを効率的に進めることができます。スプリントの計画やバーンダウンチャートを使用して、進捗を定量的に追跡し、目標達成を確実にします。
  • ソフトウェア開発以外への応用
    Jiraは、もともとソフトウェア開発向けに設計されましたが、現在では非開発部門やIT分野以外にも幅広く応用されています。マーケティング、営業、法務、人事など、タスクとプロセスの管理が必要な部門でも、Jiraのタスク管理やワークフロー機能を活用することで、業務の効率化を図ることができます。

IdeaScale と Jira Software の連携メリット

▶プロセスの一貫性と効率化

組織内で提出されたアイデアをモデレーターが調整し精緻化されていき、ファネルのステージが変更されます。実装ベースに入るとプロジェクト管理が必要となります。IdeaScaleで特定のステージに変更すると、自動でJiraにチケットが作成されシームレスに実装チームに引き渡すことができます。
ここでは、ステージを「Plan and Develop」に変更します。

ステージを変更すると、アイデアに下図に示すようなリンクが作成されます。アイコンはJira Softwareの製品ロゴでクリックするとJiraに移動することができます。

Jiraチケットの「要約(タイトル)」はIdeaScaleでアイデア提出時に入力した「タイトル」で「説明」欄にもIdeaScaleの「説明」欄に入力したものがそのまま入力され、IdeaScaleのアイデアのリンクも自動で入力されます。リンクをクリックするとIdeaScaleに移動することができます。

このように自動で作成されるので手作業を減らし、イノベーションプロセスをスムーズに次の段階へ移行することが可能です。

▶リアルタイムなステータス追跡

アイデアが承認され、プロジェクトとして進行する過程において、進捗状況の把握は非常に重要です。IdeaScaleとJira Softwareを連携させることで、承認されたアイデアがどのように進行しているかをリアルタイムで可視化できるという大きなメリットを得ることができます。

IdeaScaleで承認されたアイデアは、Jiraに自動的に取り込まれ、プロジェクトとして具体的なタスクに落とし込まれます。例えば、アイデアが承認された瞬間(ファネルのステージ変更時)にJira上でタスクが作成され、プロジェクトチームに割り当てられる仕組みを構築することができます。これにより、以下のメリットが生まれます。

リアルタイムでのステータス確認
アイデアが進行している状況を常にJira上で追跡することができ、プロジェクトの進捗状況を一目で把握することができます。特定のアイデアがどのフェーズにいるのか、例えば、計画段階なのか、実行段階に移行したのかを瞬時に確認することができます。

ワークフローの可視化
IdeaScaleで承認されたアイデアがJiraに移行した後、タスクとしての進行状況は可視化されたワークフローを通じて管理されます。プロジェクトチームや管理者は、どのタスクが完了し、どのタスクがまだ未着手なのか、または何がブロッカーになっているかをすぐに確認できるため、ボトルネックを早期に特定し、適切な対策を講じることが可能となります。また、レポート機能を活用することで、プロジェクトの全体像をリアルタイムで確認することも可能です。

▶チーム間のコラボレーション強化

IdeaScaleとJira Softwareを連携することで、アイデアからプロジェクトまでの流れがシームレスになり、部門横断的なコラボレーションが強化されます。これは、イノベーションの成功にとって非常に重要な要素の1つとなります。組織全体でのチーム間の連携が円滑に行われることで、各部門の専門知識や視点を最大限に活用し、優れた成果を生み出すことが可能になります。これにより、組織はより迅速かつ効果的に変革を進めることができ、市場での競争力を高めることに繋がります。


まとめ

IdeaScaleとJira Softwareを連携させることで、組織のイノベーション能力は飛躍的に向上します。IdeaScaleは、組織内外からアイデアを収集し、それらを評価・選別するための強力なプラットフォームであり、Jira Softwareはプロジェクトマネジメントの面で優れた柔軟性と効率を提供し、承認されたアイデアを実際のプロジェクトとして具現化するためのベストプラクティスのひとつです。

経営・マネージメント側の「ミッション・ビジョン・バリュー」「ノーススター」と連動して、プロダクトマネージャーがプランニングを行います。必要であればPoC(概念実証)を行いながら、プロジェクト管理ツール『Jira Software』とイノベーション管理ツール『IdeaScale』は双方向のやりとりを行い、IdeaScaleで意思決定されたプラン、またはコンセプトをJiraに連動させて、スムーズに開発プロセスに受け渡していく。

この仕組みがあれば、ビジネス環境の変化に対して素早く対応できる俊敏性(アジリティ)を手にいれることができます。

イノベーションを実現するには、単にアイデアを生み出すだけでなく、それを具現化し、価値を提供することが求められます。また、それを実現するには適切なプロジェクト管理が不可欠です。そのため、これら2つのツールを連携させることで、効率的に価値を創出し提供することが可能となります。


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この記事の監修者

INNOVATION WORLD 編集部

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