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イノベーションを導くリーダーシップ ~5大力量と人材育成~

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 23.11.28
イノベーションリーダーに必要な5つのスキル

概要

イノベーションには才能だけでなくスキルや仕組みも重要です。創造性はあらゆるイノベーション戦略の中心ですが、革新的なリーダーになるためには自らが創造的であることとは異なるスキルが必要です。これまでの組織運営の考え方(過去)とこれからの組織運営(未来)を理解して創造することが大切です。イノベーションを推進するリーダーは経営やビジネスの中核を担う重要な役割となっていることを理解してください。
本記事は、業界をリードするだけでなく業界を変える革新的なリーダーに必要な5つのスキルをご紹介します。

1.好奇心を許容する

「なぜ?」「どうして?」という疑問と質問はすべてのイノベーションの基礎です。チームメンバーの5%〜10%程度にイノベーションを生み出す要素をもつ従業員がいます。彼らは仮説や仮定に疑問を抱き、常識に異議を唱え、あらゆる方法でその理由を尋ねる傾向があります。
管理職や周辺メンバーは、このようなメンバーがいることで革新的な新しいアイデアが生み出される可能性があることを理解してください。良し悪しはともかく問題提起や新しいアイデアなどが提出されたら、それを受け入れて、そこから生じる疑問を追求してみてください。ただし、常に「理由」を尋ねることを忘れないでください。

2.思考タイプを把握したチームビルディング

イノベーション活動でもカイゼン活動においても体系的なアプローチが必要です。そのアプローチは主に5つの段階に分かれます。

このアプローチには思考・行動タイプを把握し、各段階で最適な人員を割り当てすることが望ましいです。
例えば「ビッグ・ファイブ理論」「エニアグラム」「DiSC理論」などの手法よって思考特性、行動特性を把握することができます。本記事ではGlobal Innovation Management Institute(以下、GIMI)が定義する6つの思考タイプを紹介したいと思います。

思考タイプ

概要

冷静・統制的

思考と行動が体系化されていて、目標や目的、プロセスを整理して統制する思考

発想・創造的

価値を生み出したり、価値を向上させるための革新的なアイデア、新しい選択肢、代替案を出すことが得意な思考

感情・直感的

建前ではなく自分の気持ち、感情、直観を大切にする思考

前向き・楽観的

チャンスを捉え、価値を追求し、チャンスに賭ける理由にこだわる思考

事実・分析的

必要な情報や事実とその入手方法など重視し、事実にもとづいた分析をする思考

慎重・批判的

リスクや欠点を見抜き危機管理が得意。物事を鵜呑みにせずに慎重になる理由を重視する思考

望ましい組織活動では、さまざまな思考タイプを理解し、役割を割り当てることが重要です。同じタイプばかりが集中した組織では、異なるタイプを拒絶・排除する活動に至る場合があるため組織機能だけでなく思考・行動タイプに合わせた役割明確が必要になります。
話を元に戻して、イノベーション活動およびカイゼン活動における各段階において、どのような思考タイプを割り当てしたらよいのかを以下に示します。

目的・目標 分岐・分割 結合 収束 実行
冷静・統制的
発想・創造的
感情・直感的
前向き・楽観的
事実・分析的
慎重・批判的

イノベーションリーダーは、メンバーの思考・行動特性を把握し、各段階において最適なチーム編成を行うことが重要です。
また活動のモデレータについては、すべての段階に必要な「冷静・統制的」なメンバーを割り当てすると良い結果が出る可能性が高いといえます。
あくまで参考例として解説しましたが、かならずこうでなければならないというものではありません。イノベーション活動はトライ&エラーの繰り返しが必要なのです。

3.リスク許容度と管理

前述のようにイノベーション活動にはトライ&エラーの繰り返しという説明をさせていただきました。漸進的なイノベーションであっても、それ自体がリスクを伴う可能性があります。革新的なリーダーは、組織がそれほど苦労せずに対処できるリスクと、計画がブーメランのように戻ってしまった場合にそれらのリスクを抑える方法の両方をよく理解する必要があります。これには、オープン イノベーションとクラウドソーシングが特定のリスクシナリオにとって最適な手法であるかどうかを評価するなど、大胆なアイデアを単に信じるだけでなく、さまざまなケースを想像して管理をしてください。

4.コラボレーション

多くの場合、優れたイノベーションは、多様な知識や経験をもった人々が協力し、お互いの意見に耳を傾けるチームから生まれます。

コラボレーションはツールを導入すれば成せるものではなく、ヒトの思考や行動に左右されます。コラボレーションの仕組みがあっても経営者や管理職などが参加した場合、現場は発言できなくなる場合があります。このような問題を解消するには、以下の過去記事を参照ください。

過去の記事:「確証バイアスを抑制する仕組みでビジネスリスクを軽減させる

イノベーション活動では、「出る杭は推奨される」という点が重要な要素であり、そのような組織文化とチームビルディングを行うことこそがイノベーションのリーダーです。

イノベーションのリーダーは、イノベーション活動プロセスを理解し、活動を支援する仕組みやインフラなどへのコミットメントを行う必要があります。そしてチームの一員としてこの思考や行動をモデル化し、それを活用して人々の能力を最大限に引き出し、従業員のモチベーションを向上させます。全員が力を合わせて取り組んでいることを理解しているチームが、最高の仕事を生み出すことにつながります。

5.アクティブリスニング(傾聴姿勢)

傾聴はあらゆる形態のリーダーシップの基本ですが、イノベーションには単に人々の意見を聞くだけではありません。あまり賛成できない意見の場合でも、その検討として取り組むことは重要です。一部の従業員が熱心に反対するアイデアに対して実行を決定する場合には、反対意見にも積極的に耳を傾けることが組織にとって重要です。十分に相手側へ説明が行われ、理解されていると知ることで、あまり人気のないアイデアを実装することによる精神的な苦痛をある程度取り除くことができます。

イノベーションを生み出す組織とは

革新的なアイデアや創造性とは組織を乱すことではありません。「好奇心を許容する」や「思考タイプを把握したチームビルディング」でも解説した通り、部門やチーム機能に合わせたタイプを集中させるのではなく、部門やチームには多様なタイプを配属させイノベーションが起こるような組織に編成することが必要です。これまでの組織では、異なる思考・行動タイプの従業員に対して、「経営視点を持たせる」「コスト意識を持たせる」「問題意識とカイゼン意識をもたせる」などの教育や方針を出して、ある程度の強制をしてきました。
しかし、ヒトを中心に考えた場合、タイプが異なる思考に矯正させることは精神的にも苦痛が伴うものです。
イノベーションのリーダーは、組織から最大限の創造性を引き出すために、ビジネスや組織の目指す方向性を明確に示すことで、船を進路に向かって垂直に保ち、乗組員(従業員)の特性に合わせた役割を割り当てすることでヒトと組織を構築し、イノベーションを最大化します。

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