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組織の体幹 ~ビジネスのアジリティを支える~

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 23.08.20

環境が変化しても転ばない「組織の体幹」

現代の経営やビジネス環境は急速に変化し、組織の成長と安定のためには、アジリティ(俊敏性)が求められる時代となってきました。

その対策のためにSAFe® (Scaled Agile Framework)などのエンタープライズ・アジャイル方法論やISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の方法論などのガイドラインを取り入れる動きが増加している捉えています。

しかしながら経営やビジネス環境は急速に変化しているため、当然ながら方法論やガイドラインなども変化し続けていくことになります。

組織は方法論やツールだけでなく、どのような変化があっても転ばない「組織の体幹」が非常に重要になります。

本記事では、組織の体幹とは何か、その重要性、そして組織の体幹を鍛える方法について解説していきます。

組織の体幹とは何か?

組織の体幹とは、言語とコミュニケーションルールを共通化することを指します。例えば共通意識と共通言語によって一体化したサッカーチームが最大のパフォーマンスを発揮するように、ビジネス組織も部門やメンバー間での意識とコミュニケーションがスムーズに行われることが求められます。

なぜ組織の体幹が必要なのか?

組織の体幹が強固であると、不確実性(VUCA)や変化のあるビジネス環境でも、組織としてのバランスを保ちつつ、迅速かつ適切な判断ができます。つまり、不確実な事態が起きたとしても転ばない、倒れないという結果に結びつきます。

組織の体幹を崩す行為とは

組織の体幹を崩す行為は、組織の効率やコミュニケーションの連続性、そして一体感を損なう行動や判断を指します。

以下はその典型的な例です。

  1. トップダウンの過度な指示
    経営陣が中間管理職やチームを飛び越えて、現場に直接的な指示を行うこと。これは、中間管理職の役割や権限を侵害し、組織内の役割と責任を曖昧にします。
    このような状態が長く続いた場合、中間管理職の離職が増加し、経営陣が複数部門を兼任する事態になる可能性が高くなります。このような行為は、「識学」「リンクアンドモチベーション」などでも組織活動上の禁止行為として提言されています。

  2. 情報の非公開や独占
    重要な情報を一部の人間だけで共有し、他の関連部門やチームと情報を共有しない行為は避けてください。
    この行為は従業員側はもちろんとして、経営や上級管理職も含まれると考えてください。組織の体幹とは共通意識と共通言語によるコミュニケーションであり、非常に重要な要素となっています。

  3. コミュニケーションの不足
    コミュニケーションの問題に関しては、多くの課題があります。人事評価制度、確証バイアス、コミットメントルールなど多岐に渡ります。最近では対策の一つとして1on1を実施する企業が増えております。しかしながら効果的な1on1の条件を満たしていなかったり、間違ったやり方をしてしまうと、さらに組織の状態を悪化させてしまうので注意が必要です。
  4. 閉鎖的な組織文化
    新しい意見や提案に対して閉じた態度を取ること。これにより、イノベーションや変化への適応能力が低下します。

  5. 不明瞭な役割と責任
    職務の範囲や責任が明確でない場合、組織内での誤解やトラブルの原因となります。

  6. 競争を奨励する文化
    内部での競争を過度に奨励し、チーム間での協力や連携を損なう環境を作ること。
    過去には部門採算性などによって部門間で競い合わせることが流行っていましたが、現在においては部門のサイロ化を進行させ変化への対応を遅延させることにつながります。

  7. 一貫性のない意思決定
    同じ状況に対して異なる判断を下す、あるいは方針が頻繁に変わると共通認識を保つことが難しくなるだけでなく、組織の信頼性を低下させます。
    同じように戦略や方針、方向が明確でない場合も同様な状態に至る場合があります。

  8. 人事評価の不公正
    努力や実績に関わらず、偏見や独自の基準で評価・昇進を行うこと。
    従業員は共通認識によって目標を設定し、成果を出したにも関わらず、基準が曖昧な状態で評価されてしまうと従業員側に不満が生まれてしまいます。

  9. 過度な政治的な行動
    組織内での人間関係や政治的な動きを優先し、組織の目的や成果を二の次にする行為だったり、相容れない事項にもかかわらず、どちらも優先する指示や命令がでたりすること。イノベーションでは経営トップの社運を賭けた大胆な目標(Big Hairy Audacious Goal:BHAG)もイノベーションの根拠として定義されていますが、従業員への説得と理解を忘れてはなりません。

  10. 複雑でサイロ化された業務プロセス
    必要以上に複雑な業務手続きやヒエラルキーを作ること。これにより、迅速な意思決定や行動が難しくなります。
    イノベーションには情報共有と共有認識が重要ですが、複雑でサイロ化された業務プロセスはイノベーションの障壁になる場合があります。

これらの行為や状況は、組織の一体感や効率を損ない、結果的に組織の体幹を崩してしまいます。組織の健全性を保つためには、これらの問題を早期に発見し、適切な対策を講じることが必要です。

「組織の体幹」を鍛える方法

組織の体幹を鍛えるためには、組織の一体感、コミュニケーションの質、そして各メンバーや部門の連携を強化する手法が必要です。以下に具体的な方法を挙げます:

  1. 明確なビジョンとミッションの共有
    組織の目的や目標を明確にし、それを全員で共有することで、方向性を一致させることができます。

  2. 開かれたコミュニケーション
    組織内での意見や情報をオープンに共有する文化を築くことで、誤解や不確実性を減少させます。
    イノベーション活動においても重要事項となります。
    このような時間を確保して活動することはビジネスや経営においても重要な活動となります。以下の記事でも解説していますので参照ください。
    イノベーション活動に必要な時間を確保するには

  3. 定期的なフィードバック
    上下左右、全方向でのフィードバックの機会を増やし、継続的な改善を促進します。

  4. 役割と責任の明確化
    職務の範囲や責任を明確にすることで、業務の進行や意思決定がスムーズに行えます。

  5. クロスファンクショナルなチームの形成
    異なる専門分野や部門のメンバーで構成されるチームを作成することで、組織内の連携や理解を深めます。
    イノベーション活動においても必須となるチーム編成の仕組みであり、SmartHRなどのツールにあるタレントマネージメント機能なども活用すると良いでしょう。

  6. 継続的な教育とトレーニング
    技術的スキルだけでなく、コミュニケーションやリーダーシップのスキルを高めるための教育やトレーニングを行います。近年ではデザイン思考、リーン思考などの教育やトレーニングを行う企業が増えています。

  7. 組織の文化と価値観の強化
    組織の文化や価値観を明確にし、それを根付かせる取り組みを行うことで、組織の一体感を高めます。

  8. 適切なツールの導入
    コミュニケーションや情報共有を助けるツールやシステムを適切に導入し、業務の効率を向上させます。
    適切なツールに関しては、以下の記事で解説していますので参照ください。
    ビジネスのアジリティを最速化するイノベーション・マネジメント(ISO56000)とは
    イノベーション・マネジメントシステムを支援するイノベーション管理ツールについて

  9. 共通の目標設定
    部門やチームを超えて共通の目標を持つことで、方向性を一致させ、協力の意識を高めます。

  10. 健全な人事評価制度
    公平かつ明確な基準での人事評価を行い、個人の成果と組織の目標達成をリンクさせます。

これらの方法は、組織の体幹を鍛えるための基本的なアプローチです。各組織の状況やニーズに応じて、最適な手法を選択し実施することが重要ですので、ご興味があればご相談ください。


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INNOVATION WORLD 編集部

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