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企業におけるイノベーション推進部門の責任と役割

  • 著者 : INNOVATION WORLD 編集部
  • 23.12.21
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イノベーション推進部門のジレンマ

さまざまな規模の企業が、イノベーションに取り組みを開始し、イノベーション推進部門を設立しています。その背景のひとつには、アイデア自体の価値だけでなく、異なるアイデア同士のつながりが持つ力を証明する研究が発表されたことも一因と考えています。

これまで優れた経営者が考えたアイデアを実行することでビジネスの成功に至ったと考えられてきましたが、実際は優れた経営者の周囲には優れた支援者(従業員や顧客、取引先や外部リソースなどを含む)が存在してこその成功といえます。

自分だけの考えだけでなく周囲の支援者の意見やアイデアから、さらに価値を高めていくことの重要性が理解されるようになってきました。

イノベーション管理ツール『IdeaScale』を導入した企業の例ですが、企業はIdeaScaleを使って、すべての従業員の参加を促し、顧客やパートナーからのフィードバックを取り入れ、アイデアを組み合わせて、他人のアイデアも参考にしながら発展させることで透明性のある新しい価値や改善プロセスを実現しています。この透明性は、有望なテーマやアイデア、トレンド、提案、初期段階のコンセプト間の繋がりを育む上で非常に重要です。しかし、このような複雑で影響力のある取り組みをマネジメントするのは容易ではありません。そのため、イノベーション推進部門を新設してアイデアをコンセプトに変換し、価値あるソリューションとして生み出すためのマネジメントを検討する企業が増え、イノベーションの推進部門の新設に至っていると考えられます。

IdeaScale社の年次調査によると、この傾向は年々増加しており、IdeaScaleの顧客の約40%がイノベーション推進部門でアイデア管理プログラムをマネジメントして運用を行っています。

アクセンチュア社の報告でも、「企業構造内でイノベーション部門が正式に設立される件数が増加している」とのことでした。この新設された部門の数は年々増えているという状況は間違えようのない事実です。

しかし、イノベーション推進部門における役割や責任は確立されていないことが多く、チーム構成、必要なイノベーションスキルの開発、予算配分などについて明確な基準が存在しません。そのため、企業がこれらの部門に適切なリソースを配分しない限り、効果的なイノベーションを実現するのは難しいでしょう。

イノベーション活動にコミットされないリソース・資源

イノベーション部門の役割と責任はまだ確立されていません。チームメンバーが何人必要か、どのようなイノベーションスキルを開発する必要があるのか、イノベーションプログラムにどの程度の予算を割り当てるべきかなどを検討する必要があります。企業がこれらの部門に十分なリソースを割り当てない場合、残念ながら効果的にイノベーションを行うことはできません。新しいアイデアは試行錯誤や非線形プロセスを実行できる資源基盤が必要で、その資源基盤には資金と人材などが必要になります。

イノベーションによってビジネスを成功させた企業や組織では、この資源基盤を確立しています。

イノベーションの国際標準規格であるISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)では、リーダーシップのコミットメントの重要性、イノベーション活動を支援する12の要素として、これらの課題をマネジメントシステムとして解決しています。

過去の記事に、これらのことが紹介されているので参考にしてください。

ビジネスのアジリティを最速化するイノベーション・マネジメント(ISO56002)とは ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)の12の支援体制を紹介しています。
イノベーション活動に必要な時間を確保するには 人的リソースや時間の確保の方法について説明しています。

イノベーション推進部門の役割と責任

長い間、イノベーションは創業社長や経営役員、上級管理職だけの「活動」と見なされていました。しかし、これには経営やビジネスにとって大きな脅威(リスク)になることが指摘されるようになってきています。

それは、イノベーション活動を行う創業社長や経営役員、上級管理職が突然の事故や病気などで職務から離れた場合のリスクを考えるとビジネス組織において大きなが影響が発生することになります。

もっとも怖いのは経営やビジネスの属人化ですが、急激に変化するビジネス環境において、すばやい意思決定が求められることもあるため、仕方がないと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、これらを解決するための仕組みがイノベーションの仕組みであり、その活動のマネジメントこそイノベーションを推進する部門の役割となります。

イノベーションの推進部門は、イノベーションの成功や失敗の蓄積とトラッキングなどを行い、優れたイノベーションの成功を再現可能な状態にすることです。ただし、アイデアの共有と接続、アイデアの構築とテスト、その成功を広く共有し蓄積するプロセスがある場合に限ります。さらに、イノベーションの推進部門はその責任の 1 つとして、イノベーションのプロセスと構造を提供する必要があります。

これらの実現にはITツールは必要不可欠です。過去の記事ではイノベーションの適したITツールを紹介しておりますので参考にしてください。

ビジネスのアジリティを最速化するイノベーション・マネジメント(ISO56002)とは イノベーション活動や支援に活用できる代表的なツールを紹介しています。
イノベーション・マネジメントシステムを支援するイノベーション管理ツールについて 世界の代表的なイノベーション管理ツールである8製品を比較したもの

イノベーション活動と価値の評価指標の重要性

最後に、ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)でも提言されているように、イノベーションは測定・評価可能な状態することが必要になります。私がよく聞く話として

「予測不能な事象に対応するのがイノベーション活動なら計画なんてたてられるわけがない」
「何が起こるかわからないのに評価指標が定義できるわけがない」

という声を聞きます。

しかし、評価指標がなければ、イノベーション活動の状態や価値を検証することができません。イノベーションが正しく機能しているか、価値を生み出せているのかを判断するためにも評価指標の定義は必須条件であり、ISO56002(イノベーション・マネジメントシステム)にも述べられています。

このことは過去の記事でも解説しておりますので参考にしてください。

イノベーション活動に対する評価の基本的な考え方 イノベーション戦略を策定する際、現在の状況を把握し、目標を決めて評価する方法の考え方を解説しています。

イノベーションの推進部門は、イノベーションのインプット (生み出されたアイデアやイノベーションの訓練を受けた従業員の割合など) からアウトプット (収益の創出や顧客感情の改善など) まで、さまざまな測定対象に対して、トップマネジメント側へ定期的に報告する必要があります。そして機会と脅威を洗い出し、それらを解決する活動であったり、新しい価値を生みだす活動の計画を立案することが責務となります。

近い将来ではなく現時点でビジネスを成功させる企業や組織には、イノベーションを推進する担当や部門が存在し、役割や責任も変化してきています。

イノベーション推進部門の役割や範囲、責任や体制などに悩まれているようであれば、遠慮なくご相談ください。


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